▶TRACE HIROSHIMA 1988
1989年会館記念展『広島・ヒロシマ・HIROSHIMA』制作委託を受けて出品(広島市現代美術館)。
1988年は天候不順で雨つづきだった。制作には3ヶ月をかけた。
広島を木箱になぞらえて、原爆が落された表現として木箱を細かく切り刻み、各々のパーツの展開図を平面のオブジェに創り換え、復元した木箱の中に浮かせて収めた作品である。どの部分から読み出しても縦横上下深浅と作品を読み続けて行ける記憶装置としてのヒロシマ体験作品を創った。
この作品のねらいは、原爆の恐ろしさを擬似的に表現するのではなしに、人々がどうしたらその悲惨さを言い伝えていけるかという情報の役目を形にして提案した作品である。