1974年に鏡の中の自分を撮影、シルクスクリーンで鏡と同じ大きさで紙に刷った時、その中の自分の像が随分小さく見えることに不審をもったが、そのまゝにしておいた。
2001年になり、この作品を見ていて気付いたことは、鏡の中でこちらを向いている私は、私から鏡の面までの距離と同じ長さで、鏡の面より奥に在ることだった。つまり、いつも見ている鏡の中の私は、私から鏡までの距離を光の往復した距離として、私が見ていることになると理解した。
日常自分の顔を鏡で見る時、鏡に映った像を実物大と錯覚して見ているからだ、と気付いた。
2001年 島州一